2017年05月25日更新

少ない努力で点が伸びるからこそ堅実な対策を。おすすめ漢文参考書8選と漢文対策における注意点

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志望校の入試に漢文がどの程度に必要か把握するのが対策の第一歩

そもそも皆さんは、自分の志望校合格のために、漢文がどのくらい必要か把握していますか?

まず、センター試験の国語は、200点中50点が漢文からの出題です。つまり、国公立大を志望するほとんどの受験生にとって、センターレベルまでの漢文対策は必須

加えて、二次試験でも漢文を要する国公立大を受験する場合、さらなる対策が必要となります。もっとも、そのような大学は多くありません。一般に難関国公立が漢文を出題するといいますが、東大がそれに含まれる一方、京大や一橋では出題されません。

ただし、たとえば京大では近年、古文問題において漢文を引用するといった形で漢文を部分的に出題しています。二次試験における漢文の要・不要については各々の志望する大学の過去問を見て確認するのが確実でしょう。

私大志望の受験生にとっては、センター試験を除けば漢文を入試で必要とすることはほとんどありません。ただし、早稲田大学のように二次試験で漢文からの出題がある大学が、多くはないものの存在します。

自分の志望校の入試に漢文がどの程度必要かは、センター試験と二次試験の二段階で確認します。とはいえ受験勉強の中で国立から私立に志望が変わるといったこともありえますし、学校の授業でも漢文に取り組むことが多いでしょうから、センターレベルまでは取り組む気持ちで望むのが無難だと思われます。

注意点①最低限の句形・置き字を超えた知識は問題演習を始めるのに不要

センター試験から(必要な人は)国公立二次試験をクリアするための漢文対策は、道筋がとてもはっきりしています。

①まず、漢文を返り点に従って書き下すことができるようになること。正確に書き下すためには、返り点の規則はもちろん、句形や置き字といった知識が必要です。

②次に、書き下し文を手がかりとして漢文を日本語で読解すること。書き下し文の語調やリズムに慣れておき、注釈を参考にすれば、語彙面の知識が固まっていなくても読み解くことは難しくありません。

よく「漢文は暗記事項が多くないので短期間で得点を伸ばせる」といわれます。この「暗記事項が多くない」ということばには裏の意味があって、「暗記しようと思えば語彙をいくらでも増やせるが、そのような暗記は必要ない」ということ。

もっとキツくいうと「多くを暗記するな、時間の無駄だ」と言いたいわけですね。

極論、たいていの返り点つき漢文を書き下すことさえできるならば、すぐ問題演習に取りかかって構いません。語彙を増やすことはもちろん有利に働きますが、問題演習を遅らせてまで暗記することにメリットはないんですね。

まとめると、漢文を書き下すための返り点・50~60の句形・置き字といった知識は問答無用で詰めなければいけませんが、それ以外の語彙や漢文常識、あるいは読解テクニックはあまり重視することなく問題演習に入ったほうが良いといえます。

記述問題が出る国公立の2次試験では、現代語訳を求められ、そのさい一定の語彙を要することがあります。しかし、それは問題演習をしながら身につけていけば良いことです。したがって、書き下しを超える暗記面はそこまで重視するなという結論は変わりません。

まずは50~60個の句形を正確に覚えることに徹し、返り点にしたがって書き下しがきちんとできるようになることを目指しましょう。

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注意点②句形や語彙といった知識は単独で読むだけで覚えようとしない

さて、問題演習に入る前に必要な知識を固めることにしましょう。後で紹介するように、必要事項が網羅されている参考書はたくさんあります。

例えば以下のように記述されている、「受け身」の句形を覚えることにします。

見A:Aる、Aらる(Aされる)
為A所B:AのBする所と為る(AにBされる)
A於B:BにAせらる(BにAされる)

このときやってはいけないのは、「見A」「為A所B」という見出し、次に書き下しと意味……という風に目で追うだけで満足してしまうこと。辞書を眺めるような感覚でページを繰っていては漢文の知識はなかなか覚えることができませんよ

英単語・英熟語にも同じことが言えますが、漢字は見た目だけで訳などのイメージを結びつけることが難しいんです。

だから、目で追うだけでなく、音読や筆記を取り入れて暗記することで効率をあげましょう。「受け身」の句形とはいえ、こちらの姿勢まで受け身になってはいけません。

句形の知識は50~60個。後々身につける語彙と合わせてもたかが100~150語くらい。1000や2000も覚えなけえればいけない英語と比べれば暗記にそう苦労することはないはずです。漢文は覚える数が少ない分、ひとつひとつを丁寧に触っていくこともしやすいのではないかと思います

漢文は、少ない努力で点が伸びるからこそ、少ない努力を堅実に行いましょう!

注意点③漢文の語彙は単語帳ではなく読解演習で出てきたものを適宜覚えるほうが効率的

音読や筆記を織り交ぜて句形を暗記していく。同じ方法で語彙もガシガシ覚えていこう!と言いたいところですが、残念ながらそれは(一定の効果こそあれ)あまり効率的ではありません。

理由は2つ。まず、漢文の語彙は英単語と同様覚え出すと際限がなく、得点力向上という形で努力が実ることがなかなかないからです。確かに頻出語彙というものは存在しますが、そのことを差し引いても漢文語彙のビルドアップはしばしば無駄に終わると心しておきましょう。

さらに、漢文の読解問題は大抵の場合、注釈が丁寧に施されているうえ、すべて漢字で記されているので日本語による類推がある程度可能であるからです。漢文において、語彙力の差が得点差となってめざましく現れることはあまりありませんよ。この点で漢文と英語は相違します。

むしろ、注釈と類推を使いこなす要領の良さが、漢文の出来・不出来をわけるポイントでしょう。

とはいえ、語彙力はないよりあったほうが良いのは確かです。しかし網羅的に覚える時間はない。だから語数が絞られた単語帳を使う……という発想は自然だと思いますが、それよりも問題演習をしていく中で、漢文に出てきた語彙を適宜身につけていくほうが効率的です。

理由はわかりますね?読解に取り組まず、ただ語彙集を眺めるだけの時間を省くことができるんです。

「デキる」受験生は、(統計をとったわけではありませんが)問題演習を学習の中心に据える傾向にあります。

漢文に限って言えば、語彙を必要な分だけ演習の中で身につけることができるだけでなく、句形をはじめとした知識を自分でアウトプットできるか確認できる点で問題演習は有用です。

インプットだけでなく、問題演習を通じてアウトプットすることを心がけるべき、というのは受験全般に通じる教訓といえます。

参考書紹介①知識編

三羽邦美の超基礎がため漢文教室

漢文の知識事項は句形から、という認識がしばしば前提されますが、それ以前の基礎がおぼつかない……という受験生もいると思います。たとえば返り点による訓読、置き字といったものですね。

これらを含めて、漢文のイチのイチから講義形式で学びたい!という方におすすめなのが、「超基礎がため漢文教室」。

そもそも漢文の参考書自体、あまり多くの種類があるわけではありません。そのなかで超基礎を扱ってくれるものとなると数が限られてきます。

学校の授業でも最初に扱うようなこの「超基礎」の段階は、時期に関わらずさっさと脱しておきましょう。

漢文ヤマのヤマ

「漢文ヤマのヤマ」は、読解演習をそつなくこなすために必要な句形、訓読などの知識が絞ってまとめられています。

いきなり読解に進むことに不安を覚える受験生、そもそも句形なんてほとんど覚えていないという受験生におすすめです。

ただし、知識事項をまとめた参考書だけ読んでいても真に身についたと言えないことは既に述べたとおりです。

知識は読解で運用できてナンボですから、最低限確認したら問題演習に入り、頃合いを見て適宜知識事項を復習……という流れをおさえておくと良いでしょう。

漢文句形ドリルと演習

知識は目で追うだけでなく、書いたり読んだりすることで頭に残りやすくなります。

ノートや紙に自分で書き残すという方法でも構わないのですが、あらかじめまとめられたドリルノートをこなしていきたいという受験生は「漢文句形ドリルと演習」を使うと良いでしょう。

また、句形知識が身についているか、簡単な書き下し・現代語訳の問題もついています。あくまで勉強の中心は演習=アウトプットに据えましょう。

漢文ゴロゴ

「ゴロゴ」シリーズは古文でもお馴染みですね。タイトルのとおり、ゴロで知識を覚える手法がとられています。古文の「ゴロゴ」に親しんでいる受験生、「漢文ヤマのヤマ」はなんとなく合わない……という受験生にとって手に取る価値があります。

漢文において求められる知識は、何度も繰り返しますが、それほど多くありません。だから、選ぶ参考書によって知識面に不都合が生じるといったことはないんです(少なくとも選んだ参考書をきちんとさらっていることを前提しますが)。

したがって、参考書を選ぶ基準はその性能より、毛色や雰囲気、レイアウトの点で好みのものを選ぶといったやり方で問題ないでしょう。

参考書を1冊やり通すのであれば、それなりの時間その参考書と向き合うことになりますから、雰囲気・レイアウトの好みというのも馬鹿にできない基準なんですよ。

漢文句形とキーワード

こちらも基礎知識を固めるのに有用な参考書です。Z会出版に特徴的な、細かい情報掲載と重要事項にオレンジ色の装飾を施したレイアウトは健在。ただし、載っている情報すべてに目を通し覚えこもうとしてしまうと時間を相当量食います。

また、漢文の頻出語彙が一定の紙面を割いてまとめられている数少ない参考書のうちのひとつでもあります。語彙力がなくても大丈夫とは言うけどやっぱり不安、という受験生にとって目を通す価値は大いにあります。

それでも無闇に覚えこもうとするのはおすすめしませんが。

参考書紹介②演習編

漢文道場

万能性と問題数の点ではとても無難な問題集です。

万能というのは、いきなり漢文の読解問題から入るのではなく、各句形の要点チェックの項目が用意されています。これ1冊で演習→知識確認の流れをこなすことができるんです。

さらに、標準的な難易度の読解問題がふんだんに盛り込まれています。大半の受験生がセンターレベルまでをひとまずの目標にすることから、無理に高難度の問題集に挑戦するより、標準的な問題を多くこなしたほうが良いでしょう。

「漢文道場」をつっかからずにこなせるようになれば、センターレベルはもう目前まで迫っていますよ。すぐセンター試験の過去問に取り組んでも支障はないですが、マーク形式に不安が残る受験生は、次に紹介する「マーク式基礎問題集」を手に取ることをおすすめします。

漢文マーク式基礎問題集

漢文自体の難易度は「漢文道場」とさして変わりありません。しかし、先に述べたようにマーク式の問題形式に慣れることができるという点で「漢文道場」と差別化できます。

とはいえ、センター試験の過去問を解きこなすことができれば良いという考え方も可能です。自身がついた段階でさっさとセンター過去問に移ってしまったほうが時間の浪費を防ぐことができますよ。

二次試験で漢文を必要としない多くの私立、大半の国公立を志望する受験生にとっては、ここまでに紹介した参考書で十分です。

以下に紹介するのは、東大をはじめとした二次試験対策用の問題集になります。志望校の過去問だけでは物足りないという方向け。

得点奪取漢文 記述問題対策

「得点奪取」シリーズは、二つの点で他に類を見ないつくりの問題集となっています。

まず、総ページの半分を占める豊富な解説量。記述問題を対策するさいには、ただ漢文が読めるだけでなく、解答プロセスも大事にしなければいけません。学校や予備校の授業であれば解説してもらえるような事項を、自習ではしばしば会得できないんです。

自習でもしっかりと解説を読み込むことで、授業同様の学習効果を得ることができるのが「得点奪取」シリーズです。

さらに、記述問題の解答の採点基準が細かく載っているのが、自習する受験生にとってうれしいポイントです。

解説が詳しいぶん問題の難易度は易しくないので、本書に取り組んだ後は志望校の過去問にじゅうぶん接続できます。

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