2016年06月17日更新

『問題全体を見渡して解く計画を立てる』東京大学理科一類合格者の東京大学理系数学の解き方

東大理系2015

合格者のプロフィール

年度 2015年(現役)
進学 東京大学理科一類
合格学部
  • 慶應義塾大学理工学部
  • 早稲田大学先進理工学部
  • 東京理科大学理工学部
  • 防衛医科大学医学部
出身高校 神奈川県私立桐蔭学園中等教育学校
センター試験
英語
198点
国語
171点
数学1A
100点
数学2B
98点
物理
96点
化学
96点
倫理・政経
60点

―2015年東京大学理系数学でカギを握ると思った設問や、問題全体に対する印象を教えてください

試験開始直後、まず問題全体をざっと見渡しました。そのときの印象は次のような感じです。

  • 設問1
  • 難関大学頻出の典型的な軌跡と領域の問題。

  • 設問2
  • 確率漸化式を立てれば解けそうだけど時間がかかりそうな問題。

  • 設問3
  • 微分積分の問題。小問の誘導に従うだけで良さそう。

  • 設問4
  • 思いつくかどうかの式変形の問題。思いつきさえすれば簡単。

  • 設問5
  • 整数問題。解き方が全然思い浮かばない。

  • 設問6
  • 式変形の問題なのだろうか。分からない。

    全体を見た結果、目標点に達するには設問1,3を確実に解く必要があると思いました。典型問題は何度も目にしたものですし、誘導に従うだけの問題も簡単に解けますからね。

    その上で残りの20~25点分をどうやって取るかがカギでした。先述した通り、設問5と6は見当もつかない状態でしたから設問2と4が勝負だと思っていました。

    解く順番については特にこだわりはありませんでした。ただ模試や直前の過去問演習のときも設問1から順に解いていたので、全体を見渡したときに考えた時間配分に注意して順番に解きました。

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    ― 2015年度東京大学理系数学の解いた順番・時間配分についてその順番で解いた理由も含めて教えてください。

    東京大学の数学は制限時間が150分で20点満点の設問が6問あります。これを単純に設問1つあたり何分かけられるか計算すると25分です。

    しかし時間を均等に配分する必要はありません。東大理科一類合格者の平均点はだいたいどの年も55点ほどです。よほど数学が得意だったり苦手だったりしない場合は55~60点を目指せばいいわけです。

    私は数学が少し得意という程度だったので60~65点を目標にしていました。これくらいの点数を目指すとなると時間配分は変則的になってきます。

    解けそうな問題にはじっくり時間をかけ、いくら考えても分からない問題は飛ばせばいいのです。

    ―設問1をどのように解いたかを具体的に教えてください。

    先ほどにも書いた通り、これはよくある軌跡と領域の問題です。

    aについての2次方程式に整理して、それが正の実数解をもつための条件を調べていくだけですね。左辺をaの2次関数としてグラフの概形を用いて考えたら楽でした。

    そのときa2の係数の正負(または0か)によってグラフの概形が変わるので、場合分けを忘れずにしました。

    かかった時間は20分程度だったので、少し余裕ができました。

    ―設問2をどのように解いたかを具体的に教えてください。

    最初にこの問題を見たときはただの典型的な確率漸化式の問題だと思って甘く見ていたのですが、漸化式を立てたあとが何も分かりませんでした。

    確率漸化式を立てるための遷移図を書いてはみたものの、連続するAAの処理が難しく手が止まってしまいました。

    もしこの問題が「1,2,3の目が出たらAAを書く」ではなく「Aを書く」となっていれば簡単だったでしょう。Aが同時に2個書かれることで「n文字目」と「n回目に書いた文字」が一致しなくなったのです。

    5分考えても何も思いつかなかったので、この問題を飛ばして他の設問に割く時間を増やすことにしました。

    この段階で25~30分が経過。

    ―設問3をどのように解いたかを具体的に教えてください。

    先に述べた通り、この問題は誘導に従って解くだけでした。

    ⑴は2曲線が接する条件を求めるという典型的な微分の問題です。曲線の式を連立させてyを消去し、得られた式をf(x)=0の形にしてf(x)の増減表から重解条件を求めました。

    ⑵では⑴で得られた結果をもとに曲線の概形を描き、その図をもとに回転体の体積(Vとおきます)を積分で求めるだけです。記述と計算に粗がないように気をつければ問題ありませんでした。

    最後に⑶でV=2πを解いて終わりです。

    と簡単なように書きましたが、ここまででかかった時間は75分です。計算に時間がかかったのと、「解ける問題は確実に満点を取ろう」という気持ちから記述に十分すぎるくらい気を遣ったのが原因でしょう。

    ―設問4をどのように解いたかを具体的に教えてください。

    設問2を捨て設問1,3を解き切った状態で、設問5,6は厳しいと考えていたので絶対に落とせないという気持ちでした。残りの90分弱すべてを捧げてもいいと思っていました。

    ⑴はrn=(pn+12+pn2+1)/pn+1pnとおき、rn+1=rnを示そうと考えました。他にもこれがnによらないことはrn=(定数)を示しても証明できますが、この方法でやろうとしてもこの問題の場合は結局前者と同じになります。

    これは数列{pn}が満たす漸化式を用いることで証明できました。ここでr1の値を求めることによって⑵の問題がすぐに解けます。

    ⑶は数学的帰納法での式変形がポイントだと感じました。ただ、登場する式が多くないのでヒラメキよりも手を動かして試行錯誤するのが大事です。と言っても何も考えずに色々と書いてみるのではなく、しっかりと目的の形を意識する必要があります。

    式変形を思いつくのに時間がかかり、解き終わった時点で残り15分でした。しかしこの段階でノルマクリアしたという実感があり、あまり焦ってはいなかったです。

    ―設問5をどのように解いたかを具体的に教えてください。

    この問題は小問に分かれているわけでもありませんし、部分点がどのように入るのかも見当がつかなかったのでさっさと飛ばしました。

    これで残りの15分を、まだ少しは太刀打ちできそうな設問6および全体の見直しに回すことができました。

    ―設問6をどのように解いたかを具体的に教えてください。

    残りの15分で少しでも点数を稼ごうということで、部分点を狙いに行きました。変数設定と指針、ちょっとした式変形で数点稼げたと思います。

    設問5を捨てて少しでも設問6で部分点を取るという洗濯は間違っていなかったと思います。

    ―最後に東京大学理科一類を目指している受験生に東京大学理系の数学で高得点をとるためにアドバイスをお願いします!

    受験はバクチではありません。例えば「自分は数学が得意で理科が苦手だから、数学で100点以上取って理科の負担を大幅に減らそう」のような考えはやめた方がいいですね。

    東大の理系数学で高得点をとるためには「解けるところは徹底的に解く・解けないところは潔く飛ばす」というようにメリハリをつけることが大事です。解けた問題も論理展開に穴がないかどうかしっかり見直しをして、堅実に点数を稼ぎましょう。