2016年09月04日更新

『古典を確実に取り、現代文は安全に』東京大学文科二類合格者の国語の解き方

東大文系2016

合格者のプロフィール

年度 2016年(現役)
進学 東京大学文科二類
合格学部
  • 慶応義塾大学経済学部
  • 早稲田大学政治経済学部
  • 早稲田大学商学部
  • 明治大学政治経済学部
出身高校 千葉県私立渋谷教育学園幕張高等学校
センター試験
英語
200点
国語
158点
数学1A
91点
数学2B
78点
物理基礎
50点
化学基礎
46点
日本史
92点
世界史
97点

―東京大学の文系国語で合否のカギを握ると思った設問や、問題全体に対する印象を教えてください。

東大文系国語の問題構成は次のとおりです。

  • 第一問 現代文
  • 第二問 古文
  • 第三問 漢文
  • 第四問 現代文

現代文:文科専用の第4問では、抽象度の高い文章やあいまいな文章が出やすいと思います。
古典:問題文の量や難易度は、難関私大より易しいレベルであると感じました。

現代文・古典とも、奇をてらった設問はなく、文章の内容を理解しているかどうかを単純に聞いています。

東大の国語で最も肝要なのは、比較的易しい古典で点数を確実に確保することです。現代文は予備校や書籍によって解答が異なり、勉強が難しい面があります。

一方、古典は文章が直訳できれば大抵の問題が正解できます。古典で点を落とさず、できれば現代文で点を稼ぐのが望ましいでしょう。

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―東京大学の文系国語の解く順番・時間配分についてその順番で解く理由も含めて教えてください。

第三問 30分 第二問 30分 第一問 30分 第四問 30分 見直し30分の順番で解いていました。東大受験生の中では割とオーソドックスな順番ではないでしょうか。

古典は知識問題の側面が強く、わからなければそこで終わりです。

一方、現代文は漢字を除けば知識問題は無く、推敲に時間をかけようと思えばいくらでもかけられます。もし現代文を先に解くと、解答内容に迷いが生じた場合に時間をとられるでしょう。そのため古典を先に解きました。

古文は注釈が少ない上、省略された主語の判別に苦しみやすいと感じました。そのため、迷うと時間が過ぎていきます。

一方、漢文は注釈が多く、論旨が明確な場合が多いです。そのため、私は解きやすい漢文を一番初めに解くことにしました。漢文で自分を安心させ、時間配分の感覚を身につけたうえで、他の問題にあたっていくスタイルです。

―大問1をどのように解いていたかを詳しく教えてください。

1 事前準備

事前準備として、設問は事前に必ず目を通しました。加えて、設問を簡単に傍線部に書き写しておきました。
例:設問に「なぜか、説明せよ」とあるなら、「なぜ」と傍線部に書いておく。

文章を読んでいる時に設問の内容を忘れて、本文と設問を往復するのは時間の無駄です。問を意識することで、本文の理解がより深まります。

2 読み方

問題文をすべて読んで解くのが理想ですが、私はそれを行うと時間がなくなると感じました。だからといって、該当傍線部までだけを読んで問題を解くのは不安です。

そのため、該当傍線部の後をある程度読んで、そこで一旦読み進めるのをやめて問題を解きました。

読むときの基本は対比と同値です。本文の中には、二項対立が必ず何かしらの形で出てきます。

例えば、2016年の入試問題では、第一問では「知性的」な人と「反知性的」な人の違いがテーマになっていました。第四問では、「予感」と「予報」、「青」と「赤」などが対立していました。

AやBといった記号を用いて、対比には違った記号を、同値には同じ記号を書き込むことで、全体の文章構造を把握しやすくしました。

対立を矢印でマークしたり、同値の語を丸で結んだりするのは、文章構造を把握する方法の一つです。

ただ、対比や同値の関係が多くなると、本文に書き込む丸や線が多くなります。そのため、記号化して整理した方がいいでしょう。

読む際には、対比と同値を意識するとともに、全体の論旨が結局何であるのかを考えました。

全体の論旨には、AとBは違う、AとBは同じ、AだけでなくBも必要……などがあります。

細かい対比を見るミクロ的視点と、全体を俯瞰するマクロ的視点を準備しましょう。

また小さなテクニックになりますが、読んでいる際、二重否定のようにわかりにくい文章はわかりやすく直しました。
例:「しないことはほとんどない」→「することがほとんどだ」

3 解き方

答案作成の際は、基本的に文章中の言葉を用いて言い換えることを心がけました。

自分の言葉で言い換えるのは、次の2つの場合のみに絞りました。

  1. 動詞を名詞化して字数を削減する。
    例:「Aが活動したことによってBになり」→「Aの活動でBになり」
  2. 本文中の言葉では結局何が言いたいのかがはっきりしないときは、その「結局何が言いたいの?」の部分だけ自分の言葉で書く。
    例:
    • 「(本文中の言葉を使う)……、必要ないということ。」
    • 「(本文中の言葉を使う)……、興味が失われたから。」
    • 「(本文中の言葉を使う)……、つまらないから。」

個人的には、言い換える時の言葉は幼稚で構わないと考えています。意味が変わらず字数が少なくなるのなら、幼稚な言葉を積極的に使っていく方が良いでしょう。

5番目の小問では、全体の論旨のまとめと、傍線部の説明の両方が求められています。全体の論旨を書くのに60字、傍線部の説明に60字使う感覚で答案を作成しました。

例:全体の論旨が「AとBは違う」、設問の要求が「どういうことか」ならば、「Aは……。一方、Bは……。……ということ。」とまとめた。

―大問2をどのように解いていたかを詳しく教えてください。

主語が誰なのかを意識して読めば、ほとんどの問題が解けると思います。

本文の前に出てくるリード文は必ず読みましょう。また、注釈が本文の後に書いてあるので、その部分を先に読んでおきましょう。
センター試験とは違い、本文中のどこが注釈と対応しているのかがわからないためです。

東大を受験する人であれば、基本的な文法や単語はおさえていると思います。直訳ができるなら、あとは主語をつかめば大抵の問題は解けます。注意すべきは以下の3点です。

  1. 文章中の敬語に着目する。
  2. 主語が「ば・ど・に・を・が」の前後で変わりやすく、「て・で」の前後で変わりにくいことを用いる。
  3. 古典常識を活用する。

和訳問題は「言葉を補って」などの指示がない限り直訳でOKだと思います。他の説明問題も直訳が基本です。

―大問3をどのように解いていたかを詳しく教えてください。

漢文も古文と同様に、基本的な文法・構文・語彙を固めて、注釈に気をつけて読めば解けます。漢文で意識すべきなのは比喩表現です。

散文では一つの文章が教訓になっている場合が多く、漢詩では筆者の思いと何かが重ね合わされている事が多いです。慣れないうちは推測で解くしかありませんが、回数をこなすことでパターンを掴みました。

―大問4をどのように解いていたかを詳しく教えてください。

大問4は筆者が結論をはっきり言わない文章が頻出します。しかし、私の解き方は基本的には第1問と同じでした。文章から根拠を探し、筆者の言いたい核心部分だけは自分の言葉で言い換えることを心がけました。

ー最後に東京大学文科を目指している受験生に東京大学文系の国語で高得点をとるためにアドバイスをお願いします。

古典を確実に取り、現代文は論旨を外さない程度に書きましょう。私は国語に得点を期待していませんでしたが、本番で7割(84点)を取ることができました。

古典は知識問題なので、テクニックはあまり必要としません。一方、現代文は知識ではなく論理で解く必要があります。感覚で解いて得点が来る人もいますが、そうでない人もいます。

後者の人は、得点を取るために自分で方針を決めることが必要だと思います。そのため私は大問1の解き方についてかなりウェイトを置いて説明しました。これを参考にしながら、みなさんも自分なりの方針を作ってみてください。

東大合格のためには、一科目も捨てないことが大切です。国語も疎かにせず、定期的に時間をとって勉強しましょう。