2016年06月11日更新

『地味な暗記が二次対策につながる』東京大学文科三類合格者の高3の夏休みの世界史勉強法

世界史B 新世界史 (81山川 世B306) 文部省検定済教科書 高等学校地理歴史科用.jpg

合格者のプロフィール

年度 2016年(現役)
進学 東京大学文科三類
合格学部
  • 早稲田大学政治経済学部経済学科
  • 早稲田大学文化構想学部文化構想学科
出身高校 千葉県私立渋谷教育学園幕張高等学校
センター試験
英語
183点
国語
193点
数学1A
89点
数学2B
100点
化学基礎
50点
生物基礎
47点
日本史
91点
世界史
88点

―夏休みに入る前の時点での第一志望、各教科の状況・課題と夏休みの「コンセプト・目標」を教えてください。

 
第一志望は、科類こそ絞っていませんでしたが、ほぼ東大文系に一本化していました。

夏休み前の各教科の状況は、

第1回全統マーク模試の偏差値が、英語72.6、数学74.4、国語68.1、世界史69.4、日本史70.1、化学基礎70.0、生物基礎60.7、5-7文系76.2。

第1回駿台全国模試の偏差値が、英語69.5、数学70.5、国語61.6、世界史67.9、日本史46.4、英数国歴2 66.4。

世界史、日本史は、夏休み前に本格的な勉強をしてこなかったため、「社会科の二次対策に着手すること」を夏休みの第一コンセプトに定めました。夏休み前の段階で、世界史、日本史のどちらを優先させるかは未定でした。

数学は、勘を失わない程度に継続的に問題演習をこなすものの、社会科の進度が遅れていることを考慮し、あまり負担になりすぎないよう注意しました。

国語は、古典単語や漢文の句形などの基礎知識を、適宜確認していくにとどめ、こちらも時間を割きすぎないようにと決めていました。

英語が苦手科目だった僕は、英語に多大な時間を割いて他科目の勉強に支障をきたすよりは、優先度の高い社会科の勉強時間を確保しつつ、英語を「敗戦処理」のようにこなしていく方が得策だと考えました。

なぜなら、英語に今更手をつけても武器にはしえないだろうと思ったからです。他の受験生との英語力の差を、致命的にならない程度に抑え、他の数学、国語、世界史、日本史で差を埋める戦略を採りました。

理科基礎は、センター直前期から対策すれば間に合うだろうと思い、夏休みの間は放置しました。

まとめると、英数国に継続的に取り組みつつ社会科を主に対策する方針でした。理科基礎を除いた各科目とも、2次の過去問演習に無理なく着手できるところまで進めることを目標にしました。

また、後述する理由により、夏模試の成績に関する具体的な目標は定めませんでした。

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ー夏休みに入る前にあなたが世界史で抱えていた課題と、その上でどのような目標を掲げたかを教えてください。

先述したように、世界史、日本史ともにまだ高校の授業、塾の短期講習以外に本格的な勉強をしていませんでした。

夏休み以前の模試では、出題範囲も限られ、授業で習ったことだけで解答でき、そこそこの偏差値が出ました。

なので、東大を突破するのに必要な社会科の勉強が不十分であることを、模試による具体的数値で実感することができずにいました。(第1回駿台全国模試では日本史で失敗しましたが……)

世界史は、センターで求められるような知識は通史の途中まで、具体的には19世紀くらいまでの範囲で身についていましたが通史が終わっていないこと、教科書をまともに読んだ経験がなかったことが課題でした。

その上で世界史は、通史を戦後まで終わらせること、教科書を最低一冊、できれば複数冊読破することを目標にしました。

夏模試の数値的な目標は、とりわけ社会科に関しては定めませんでした。

高校の先生に「夏の勉強が実を結ぶのは秋から」とアドバイスされ、夏模試で結果を出そうと焦るのは、過去問演習以前の基礎が身につかない点で良くないことだと考えたからです。

ー夏休みに取り組んだ世界史の問題集とその使い方・ペース・勉強法を具体的に教えてください。

世界史は、『世界史B一問一答 完全版 2nd edition(東進ブックス 大学受験 高速マスター)』で知識を確認しながら、『詳説世界史B(山川出版社)』や『新世界史(山川出版社)』を読み、教科書の復習用に『書きこみ教科書 世界史B(山川出版社)』も使いました。

東大受験生にとって、東進の一問一答は、その掲載量の多さよりも、問題文自体にフレーズとして暗記する価値がある点が魅力です。東大二次の第二問対策に直結するからです。

一日に一時間ほど、用語だけでなく問題文も暗記するように読んでいき、夏休み中に最低一周できるように逆算してペースを決めました。

教科書に関しては、「用語よりも歴史の流れを掴め」とよく言われます。

しかし、無機質な教科書一冊の記述を目で追っただけで、通史の大まかな展開以上の「流れ」を把握できる受験生なんているのでしょうか?僕はめったにいないと思います。

僕が世界史の教科書を読んだのは、用語暗記のためでもなければ、高尚な「流れ」の把握のためでもなく、簡単な通史を終えるとともに、一問一答と同様フレーズの暗記のためです。

教科書は、プロによる簡潔かつ上質な記述が特徴で「流れ」の把握には向かない一方、暗記するにはもってこいなのです。

僕は、教科書を読みつつ、論述問題で使えそうだと思った箇所にマーカーで印をつける作業を繰り返しました。

東進の一問一答は、試験で頻出のポイントが機能的にまとめてあります。一方、教科書は大まかな時系列順に並べて叙述されているので、一つ一つのフレーズを体系的に学ぶことができます。

東大二次の第一問で求められるような「流れ」の把握は塾に任せて、自分でできる知識の確認をしていきました。

ー夏休みに秋以降の範囲を予習すべきだと思いますか?その理由も含めて教えてください。

夏休みの段階では、余裕があれば予習し、余裕がなければ復習にとどめるなど、人によってそれぞれで良いと思います。

というのも、僕の周りの東大合格者の中には、高三の始めにほとんど通史が終わっていた人もいれば、センター数週間前になっても未習範囲が残っていた人もいるからです。

先述したように、夏休み中に結果を無理に出す必要はありません。「夏休み」を過度に重く捉え、予習に駆られることなく、自分のペースで学習することをお勧めします。

ー夏休みに取り組んだことが秋以降どのように役立ったか具体的に教えてください。

夏休み中に通史を終わらせ、知識も確認できたので、夏休み終了段階ではかなりのアドバンテージをとれたと思います。

しかし、夏模試で国語(特に古典)が遅れていることがわかり、9月から秋模試までの間は、古典と通史の終わっていない日本史の勉強が急務でした。

そのため、世界史は数ヶ月間放置し、結果、秋模試では世界史の偏差値が50を切り、夏休みのアドバンテージを無駄にしてしまいました。

僕は一つの科目を集中的に勉強する方法をとりましたが、やはり忘れない程度にコツコツ復習することが大事です。

ー最後に大学受験を終えてみて秋以降に世界史の偏差値を伸ばすために夏休みにやるべきだと思うことを教えてください!

東大受験を突破するためには、基礎知識を固めつつ、過去問研究にできるだけ早く取りかかることが基本的には大切です。

しかし、東大二次の世界史は、センター対策のような暗記を繰り返すことで、第二問、第三問を対策することができます。過去問を特別に捉える必要はありません。

あくまで知識を定着させる演習用として使うといいと思います。

この暗記作業を、少なくとも夏休みから地道に始めましょう。地道な努力が、すぐにではないにしろ偏差値アップにつながることは間違いありません。