2016年10月20日更新

勘やセンスに頼らない整数問題の考え方①範囲を絞り込め!(part 3)

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整数問題を雰囲気で解いていると、いつまでも足を引っ張られる

整数問題は、お決まりの解法が少ない(複数の解法を色々考えて試さなければいけない)ため、苦手とする受験生がとても多いです。

苦手意識のある受験生は、「整数問題は、数学的なセンス・勘に頼らないと解けない」と思い、対策を放棄しがち。結果、なんとなく雰囲気で解いてしまい、整数問題が受験生にとってのアキレス腱であり続けます。

たしかに整数問題は、お決まりの解法こそありません。しかし、考え方・方針の立て方はある程度前もって定まっています。視点を体得すれば、解法の方針を立てるまでに要する時間を減らすことができます。

前回から引き続き、『範囲を絞りこめ!』を扱います。

範囲を絞りこむ具体的な考え方③判別式の利用

問題
\(2\)次方程式\(x^2+(a-1)x+a^2-3a+1=0\)の\(2\)つの解が整数となるような整数\(a\)の値を求めよ。

整数問題で範囲を絞りこむ際、不等式をいかにして出現させるかが重要です。

不等式を作る有名な方法のひとつに、「判別式の利用」があります。判別式を\(D\)とおくと、方程式が実数解をもつとき、\(D\geq0\)が成り立つというものでしたね。整数は実数ですから、整数問題でも有効な考え方です。

「判別式の利用」は、解が関わる問題において活躍します。それでは例題を解いてみましょう。

\(x^2+(a-1)x+a^2-3a+1=0\)は\(2\)つの実数解をもつことが必要なので、その判別式を\(D\)とおくと、

\(\begin{align}
D&=(a-1)^2-4(a^2-3a+1) \\\
&=-3a^2+10a-3 \\\
&\ge 0
\end{align}\)

が\(a\)の必要条件となります。うまく絞りこめそうですね。

この\(2\)次不等式を解いて、\(\frac{1}{3}\leq a\leq 3\)。

これを満たす整数\(a\)の値は、\(1,2,3\)のいずれか、と絞りこむことができました。

あとは\(a=1,2,3\)それぞれの場合について、\(x^2+(a-1)x+a^2-3a+1=0\)に代入し、

実際に解いて\(x\)が整数解をもつかを確かめればOKです。

やってみると、\(a=1.3\)の場合は問題なく\(x\)が整数解をもちますが、\(a=2\)の場合はそうでないことがわかると思います。

この作業を飛ばして、\(a=1,2,3\)が答えだ!と早とちりしてしまっては、本当にもったいないです

解答
\(a=1,3\)

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練習問題

問題

\(m\)を自然数とする。\(x^2-2mx+m^2+m-3=0\)が整数解をもつとき、\(m\)の値を求めよ。

解説

例題と同様にすれば解けます。

\(x^2-2mx+m^2+m-3=0\)は\(2\)つの実数解をもつことが必要なので、その判別式を\(D\)とおくと、

\(\begin{align}
D&=4m^2-4(m^2+m-3) \\\
&=-4m+12 \\\
&\ge 0
\end{align}\)

が\(m\)の必要条件。

この不等式を解いて、\(m\leq 3\)。

これを満たす自然数\(m\)の値は、\(1,2,3\)のいずれか。

あとは\(m=1,2,3\)それぞれの場合について、\(x^2-2mx+m^2+m-3=0\)に代入し、

実際に解いて\(x\)が整数解をもつかを確かめればOK。

方針が正しいとわかると嬉しくなるものですが、最後まで落ち着いて場合分けし、調べていきましょう

\(m=1\)のとき、\(x^2-2x-1=0\)は、整数解をもたない。

\(m=2\)のとき、\(x^2-4x+3=0\)は整数解\(x=1,3\)をもつ。

\(m=3\)のとき、\(x^2-6x+9=0\)は整数解\(x=3\)をもつ。

以上より、求める\(m\)の値は\(\underline{2,3}\)。

画像引用:instagram.com

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