2017年06月17日更新

高1から2次試験直前まで使える。時期別・高校世界史の勉強法と各教材の使い方

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時期別学習方針

どんなペースで勉強するにせよ、高3の1月~2月に対策を完成させなければいけないのは全受験生に共通。最悪なのは、今のペースで勉強していたら本番までに間に合わない……ということすら自覚していないような場合です。

部活などが忙しくて高3の夏から対策に着手する受験生は当然、急ピッチで勉強しなければいけませんし、高1や高2のうちからある程度対策が進んでいればペースに余裕がもてます。しかし高1や高2のうちから勉強しておけばいくらダラダラしていても大丈夫というわけでももちろんない

したがって、いつから対策を本格化させるにせよ、入試本番までに間に合うような長期的なビジョン(高3の夏休みまでに通史を終わらせる、など)を、なんとなくでもいいのでもっておくことは極めて重要。それに基づいて短期的な学習計画(今月中に一問一答集を〇〇ページやる、など)を立てていくんです。

そこで、本記事では多くの受験生にとって無理のないような、世界史対策の長期的ビジョンを紹介します。高1生や高2生はもちろん始めから目を通してほしいですし、高3で遅ればせながら世界史を対策しようという方も、「大体この時期までにこのくらい進んでいればいいんだ」という目安にしてください。

高1~高2:世界史に時間を割きすぎず学校の授業や定期試験を大切にする

さて、高1生や高2生の皆さんのなかには、早期に世界史対策を始めて他と差をつけようと考える方もいるでしょう。世界史の学習を先取りして、世界史において差をつけようというのであれば何の問題もありませんが、気をつけておいてほしいのは、世界史など社会科の勉強ばかりしていて英数で逆に他と差をつけられるようなことがあっては本末転倒だということ。

酷な話ですが、世界史という科目はちょっと時間を割けば誰でもある程度成績を伸ばせるんですよね。もちろん時間の割き方を間違えると差がついてしまいますが、高3からでも十分間に合うんです。

でも、英数を短期の学習で伸ばすというのは現実的でない。高1や高2のうちから地道に英数に取り組んで、高3で実を結ぶといったイメージをもっておくと良いと思います。

私の受験時代を振り替えると、高2までについた英数の基礎力の差を高3からの勉強で埋めることのできた人は身の回りにほとんどいませんでした。その場合、付け焼刃の得点能力でごまかすことくらいしかやることがないんですよね。

付け焼き刃だと得点のブレが激しく、受験において不利であることは明らか。

じゃあ高2までは世界史に手をつけなくていいかというと、そういうわけでもありません。もちろん高3から手をつけても間に合うでしょうが、高2のうちから世界史の授業は週に1時間以上あり、定期試験も何回かありますよね?それを無視してまで英数に時間を割く、という選択肢をとりたいというならそれで構いません。

しかし、高2のうちは自習時間は英数に大半を費やしつつ、世界史の授業や定期試験を真面目にこなす、というビジョンをもっておくことをおすすめします。

理由は2つ。

まず、世界史をはじめとする暗記科目は、何周も暗記作業をこなさなければいけません。そして、その一周目を定期試験対策という機会に行うんです。高2までに一度、定期試験範囲をがむしゃらに暗記しておくと、高3になって本格的に対策を本格化させるさい、明らかに作業が捗るようになりますよ。

さらに、世界史の勉強を効率的に行うにあたって何より大切なのは、できるだけ早めに世界史の大まかなストーリーを把握してしまうことです。

日本史であれば、ほとんどの受験生がなんとなくの流れを知っていると思いますが、世界史は大抵、ほとんど無知の状態からスタートします。後でも述べますが、教科書を読んだり、暗記作業を行うさい、大まかなストーリーが頭に入っていないと効率が落ちるんです。

そして、そのストーリー把握に学校の授業は適しています。授業を真面目に聞き、教科書で復習……のサイクルをとりましょう。

また、ストーリーを知るだけなら自習でも可能です。後で紹介する『ナビゲーター世界史』などの講義系参考書を高1〜高2の間に読み進めておくと良いと思います

というのも、学校の授業が有効とはいえ進度はふつう遅く、通史が最後まで終わるのに高3の秋〜冬までかかるのがもっぱら。最悪、最後まで終わらないといったこともありえます。高2までの世界史の自習は、ストーリー把握に徹しましょう。

ちょうど英数の勉強の息抜きとして位置づけると良いのではないでしょうか。

高3の4月~夏休み前:学校の授業を中心に据えつつストーリーの把握を済ませる

この時期の世界史に対する考え方は、次のようにします。高2までと同様学校の授業と定期試験対策を中心に据え、英数の勉強時間を引き続き確保しつつ、教科書や一問一答集など「受験のおとも」に手をつけ始める。

教科書や一問一答集を焦って早く一周しようとはしなくて良いです。むしろこの時期に一周してしまっていると、私大志望でない限り英数への勉強時間が不足している可能性が大いにあります

高3の夏休み前までにマストでやっておくべきなのは、世界史の大まかなストーリーを教科書の最後に該当する部分まで把握し切ってしまうことです。夏休みからは世界史の暗記科目としての側面が徐々に牙を剥いてきます。

それに備えて、『ナビゲーター世界史』や『実況中継』で流れを掴んでおきます。講義系参考書を気楽に読めるのも夏休み前までだと考えてください。

高3の夏休み:通史の終了・教科書1冊以上の通読を目標にする

教科書は基本だという言説がしばしば吹聴されますが、基本をおさえようという目的で初学者が使ってもなんの成果も得られません。

教科書のおすすめ用途は後で述べますが、とりあえず世界史のおおまかなストーリーをおさえることが教科書を読むのに最低限必要で、教科書は流れのイメージが頭に描けているかを確認・復習するのに有用だと考えておいてください。

というわけで、学校の授業や講義系参考書を駆使して夏休み前までにストーリーをおさえておき、夏休み中に教科書の通読に取り組みましょう。

教科書は無機質な記述が延々と続きますので、字面を目で追うだけだと何も頭に残りませんし、眠くなります。読むさいに頭でイメージを描いたり、「この部分、あの参考書でこう描いてあったところだ!」など過去の経験と連関させつつ読んでいきましょう。

蛍光ペンを引きつつ読むのも有効ですが、用語単位ではなく、短文単位で引くことをおすすめします。理由は2つ。

まず、教科書の通読はストーリーの復習のために用いるのであって、用語暗記のために行うのではないということ。人名などにいちいち線を引いていても見た目がダサくなるだけです。

そして、特に国公立志望者に向けた話になりますが、教科書の用途として「ストーリーが頭に入っているかの確認」のほか「論述に使えるフレーズ暗記」というものがあります。教科書を使うときには、載っている単語だけではなく、それも含めた文・フレーズ単位で後々覚えていくという意識づけを行うために、マーカーをフレーズ単位で引くんです。

ついでに私大志望者に向けた話をすると、暗記のウエイトがあがる皆さんは一問一答集を夏までに一周しておくと良いと思います。国公立志望者も少しずつ一問一答集に取り組んでいくべきですが、夏休みまでに一周!と焦る必要はありません。教科書が優先です。

教科書を落ち着いて読むまとまった時間がとれるのは、入試直前期を除けば夏休みしかありません。秋からは過去問演習も本格化させなければいけませんし、センターが近づけば近づくほど暗記作業もハードになるでしょう。

以上より、教科書の通読は夏休みより前にはできず(ストーリーがわかっていないと得るものがないので)、夏休みより後にもできない(過去問演習や暗記作業で忙しくなるので)、つまり夏休み中にしかできないことがおわかりいただけたかと思います。

こうしたビジョンを「通史の終了・教科書1冊以上の通読を目標にする」という見出しにまとめました。注目してほしいのは「1冊以上」という表現。2冊でも3冊でも構わないということです。もちろん1冊が読み終わるビジョンが見えないのに何冊も手を出すのは愚かですが、余裕があれば複数冊を並行して読み進めるとさらに学習効率が上がります

というのも、ひとつの世界史のストーリーを複数の記述視点で眺めることで、イメージがより鮮やかになりますので。

日本史の教科書はほぼ山川出版社1択みたいなところがありますが、世界史の教科書に関してはそんなことないんですね。世界史の教科書に関してはこちらで特徴を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

高3の9月~冬休み前:過去問演習と用語暗記を本格化させる

この時期に行うべきことは、見出しのとおり過去問演習と用語暗記。ここまでのビジョンを守っていれば、抗議系参考書や教科書を用いることで流れの把握が確立していることと思います。あとは知識をインプットしつつ、問題演習でアウトプットを繰り返すだけ。

常に他の科目とのバランスを鑑みながら演習を続けていってほしいと思います。一問一答集の使い方については、以下の項目を参考にしてください

高3の冬休み~センター試験:センター試験の比重に応じて計画を定める

センター試験にどのくらい本腰を入れるべきかは、志望校によって異なります。志望校によっては、センター世界史100点を圧縮(素点を0.8倍する、など)して入試に用いたり、そもそもセンター試験全体を圧縮する大学もあるんです(たとえば東大がそれにあたります)。

センターより2次の比重が多いのに、センター対策に殊更時間を割くのは非効率的だから、センター世界史はそこそこにやれば良いという考え方も、したがって一理あるわけです。

しかし、センター試験はほとんどの受験生にとって初めての入試本番という壁であり、しかも失敗が許されない点でもっとも厄介な壁でもあります。そんなセンター試験を軽んじて2次試験に時間を注ぐ、という姿勢は確かに合理的かもしれませんが、センター直前になってその姿勢を貫くのには相当の自信と胆力が要ります。

だから、よほど自分の学力に自信がない限り、センター世界史の比重がどうであれひとまず9割の得点を目指した対策を冬休みからは行うと良いでしょう。9割得点しておけば世界史に関して問題は生じません。

ただし、冬休みからセンター試験までのこの時期、センター対策に全振りするか、あるいは2次対策も挟んでいくかは選択の余地があることを覚えておいてください。

もちろん2次対策を1ヶ月もの間放置してしまえば、センター試験あとにいわゆる「センターぼけ」が訪れます。でも、それって大きな問題になるでしょうか?どうせセンター後は2次対策しかしないのですから、「センターぼけ」も自然と解消されます。

2次試験対策をセンター直前期に放置しなかったおかげで2次試験でうまくいった!という感想をもっている元受験生=現大学生の人も、筆者は見たことがありません。

志望校の過去問があまりに進んでいない!というのでなければ、センター前3週間くらいはセンター過去問演習、用語暗記にほとんどを費やして構わないと思いますよ。

センター試験後~二次試験:新規の学習より過去の復習を大切にする

センター試験を終えたこの時期になると、あとは志望校の過去問に取り組む……くらいしかないと思います。他には今まで取り組んできた一問一答集・その他問題集の解き直しを行うでしょう。

ビジョンを守って直前期まで学習を続けていれば、参考書も学習量も十分足りているはずです。だから、新しい参考書に手を出したり、新しい問題を解くのは極力避けましょう。新しく買うならば、それが本当に自分にとって必要で、かつ急務であるか熟考してください。

新しい問題を解いてできなくても不安になるだけすし、今までの演習の穴を潰していけば学習効果は同等以上に得られる。それ以上に、たかが直前期の1ヶ月で参考書を仕上げるのは困難です

直前期は学校の授業もなく、なかなか人と話す機会がないので、精神をどうにか安定させることが重要になってきます。そういう意味でも、過去の復習に徹して穴を潰し、自信を固めていきましょう。

講義系参考書の使い方

学校や予備校の先生に高校世界史の勉強法を語らせると、ほぼ必ず「流れを理解しろ」という言葉が彼らの口をついて出ます。

この「流れ」という言葉の意味、受験生の皆さんは正しく理解していますか?

用語や年号などの知識を排した、歴史の大まかなストーリーのことだと単純に考えていませんか?それは「流れ」のひとつの側面にすぎませんよ

実は受験生がおさえておくべき「流れ」には2種類あるんです。それは、教科書の補助輪となる大まかなストーリーと、教科書を超えた多角的な視点のこと。

「流れ」の把握・第一段階:大まかなストーリーをつかむ

受験生がおさえるべき「流れ」の1つ目は、受験生の皆さんにとって想像に難くない、歴史の大まかなストーリー

教科書の記述はきわめて簡潔であるため、初学者にとって読みやすいものではありません。いきなり教科書で勉強しようとしても大抵は挫折します。

教科書を自転車だとすると、ほとんどの人にとって乗りこなすためにはその補助輪が必要だと思います。補助輪の役割を果たすのが、大まかなストーリーとしての流れの理解です。

たとえば、16世紀はスペイン全盛、17世紀の前半はオランダが強い、17世紀後半からはイギリスとフランスの時代、19世紀後半、ドイツ帝国成立後はドイツとアメリカが力を伸ばしていく……といった国々の簡単な勢力関係は、あらかじめ知っておくと教科書が格段に読みやすくなります。

この流れを講義系の参考書(『ナビゲーター世界史』や『青木裕司の実況中継』など)で把握しておくと、避けることのできない用語暗記が捗ることを実感できますし、教科書をある程度理解しながら読むことも可能。

高3の夏休みまでに教科書の通読を1冊以上済ませておきたいところなので、高3の1学期のうちに大まかなストーリーをおさえておくと良いと思います。

「流れ」の把握・第二段階:多角的な視点を身につける

教科書をただ字面を追って読んで理解するのも大切なことです。知識の抜け、ストーリー理解の確認をするのにこれ以上の参考書はありませんので。

ただし、教科書に沿った順番で歴史を整理するだけでは足りない。これは学校や塾の授業でも再三指摘されることだと思います。

そう、教科書を超えた、多角的な視点を身につけることが合格に必要なんです。たとえばどのような視点が必要か、以下に3種類を紹介します。

◎「同地域のタテの流れ

たとえば、一般的な教科書は以下のような順で記述されます。古代オリエント→古代〜中世の中国→古代ギリシア、ローマ→イスラーム世界→中世ヨーロッパ→明清中国→大航海時代と近世ヨーロッパ……といった風に。

しかし、歴史というものは各地域で一斉に、同じ時が流れて作られるものです。教科書の章立ては初学者のための便宜に過ぎません。

中国や中東、エジプトなど、特定の地域に焦点を絞って歴史を通時的に概観することは、ただ教科書に倣うだけではできず、学校や予備校の講義を聞いたり、参考書を用いたり、あるいは自分なりに整理したりしないといけないんですね。これを「同地域のタテの流れ」と呼ぶことにします。

同地域のタテの流れを学ぶことで、教科書の記述に良くも悪くも依存していた世界史の知識を体系化することができる。すると試験において、教科書に拘らないどのような角度から出題されても、対応できる可能性が拡がるでしょう。

同時代のタテの流れはまさに、教科書を読んでからおさえる流れといえます。というのも、教科書を読むのに最低限必要な視点ではないものの、受験には必要な視点だからです。

◎「同時代のヨコの流れ

さて、タテの流れをおさえる必要があるならば、ヨコの流れも……という予想が立ちますね。次に述べるのは「同時代のヨコの流れ」についてです。

これも例を挙げてみましょう。

有名どころでいうと、751年、1848年あたり。それぞれ、タラス河畔の戦い、フランス二月革命が起きた年です。覚えていますか?

タラス河畔の戦いとは、当時イスラーム世界で隆盛を誇ったアッバース朝と、アジアでこちらも全盛であった唐が、中央アジアの覇権を巡って戦ったといわれている事件です。この戦いは、ただ教科書を順に読むだけでは得られない同時代のヨコの流れの視点を得る手がかりになります。

アッバース朝と唐が全盛期の時代があった、ということはおさえられても、両帝国がだいたい同じ時代に繁栄していたという事実には意外と気づかないものです。

1848年はどうでしょうか。フランス二月革命が起きた年だと先に述べましたが、そのような理解だと少し甘いです。自由主義とナショナリズムを掲げた革命運動はこの年、フランスに限らずヨーロッパ各地で連鎖的に起きました。それは19世紀前半のヨーロッパ世界を覆っていたウィーン体制を終わらせ、新たな対立の時代の嚆矢となったという歴史的意義を持ちます。

さらに、ヨーロッパ外に目を向けると、たとえばアメリカでもゴールド・ラッシュが起こった1848年は重要な年です。

このように、1848年は各地域で何が起き、それらはどのような歴史的意義を持つか整理してみると、通史の理解に深みが出てきます。

ある世紀(13世紀、17世紀前半など)や年(751年、1848年など)、出来事(○○戦争、○○条約など)に着目し、各地域を概観・歴史的意義を考察することで、同時代のヨコの流れが、今までとは違った形で見えてきます

同時代のヨコの流れも、教科書を読んでからおさえるべきだといえます。こんなこと、教科書レベルの知識がおろそかなうちに学んでもどうしようもないですからね!

◎「テーマの流れ

同地域のタテの流れ、同時代のヨコの流れまで説明しました。実は加えてもう一種類あって、それを本記事では「テーマの流れ」と呼びます。

何のことかすぐにわかるでしょう。有名どころだと鉄道、移民、香辛料、建築術といった特定のテーマに基づき、関連する歴史的事象をつなげておさえていくんです。

これは同時代、同地域にこだわる作業ではありません。第3の流れとして別に提案したのは、そういうわけです。

以上に挙げた、多角的な視点の学習が効いてくる場面は主に2つ。

  • 1つは、時代・地域融合系の問題への対応。多くの受験生が受けるセンターで頻出の形式です。
  • もう1つは、国公立二次で主に問われる論述形式の問題への対応です。

「○世紀、□□国では△△という施策がとられた。この実行者は誰か」のような、教科書の記述に沿った問題というのは入試の現場であまり見ません。

「16世紀後半における各国の対外事情について」や「ロシアの諸皇帝について」、「土地制度について」など、特定の時代・地域・テーマに関する問題への対応が必須なんです。

そのためには教科書を超えた様々な視点を獲得しなければいけませんよね。

以上、講義系参考書を使いながらおさえておくべき「流れ」には様々な種類があるとおわかりいただけたと思います。

もちろん、学校や予備校の授業をしっかりと聞くことで、以上の「流れ」の大部分をカバーできます。授業をおろそかにして、自習時間を世界史に回してしまい、他の科目の勉強時間を削ってしまうのは、ひたすら非効率ですからね

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教科書の使い方

ここまで、教科書をとりあえず通読するべき、というのを暗黙の前提としてきました。

でも、教科書って正直読んでいて面白くないし、もっとわかりやすい参考書が世に出回っているのに、教科書をあえて使う必要なんてあるの?と思う方もいるのではないでしょうか。

その感覚は間違っていません。教科書は誰にとってもとっつきづらいものですし、理解のしやすさという点では参考書に劣ります。

でも、わかりやすい参考書ばかりに流れてしまっても良くない。参考書は自転車の補助輪に喩えられますが、いつまでたっても補助輪つきで自転車を漕いでいるようではいけません。

わかりにくい教科書は、うまく活用してあげることでとても有用な参考書に化けます。活用のしかたは、大きく3つにわけられます。

  • 大まかなストーリーが理解できるかの確認用として。
  • センター試験、国公立二次試験における、必要な知識のボーダーラインとして。
  • 論述試験に使えるフレーズの暗記用として。

逆に、以上のように使う場面を絞ってあげないと、教科書に無駄な時間を費やしてしまいがちです。ただ漫然と教科書を読むだけでは、頭の中に「わかりにくいなあ」という印象しか残りませんよ

教科書から逃げがちな人は、教科書に関する目的意識が欠けていることが多いんです。

まずは大まかな歴史のストーリーの理解確認のために読む

これに関しては既に説明しました

教科書を1冊読み切ることができれば、通史のストーリーに関するイメージがある程度、自分の頭の中で描けていることが確認できます。

教科書の簡潔さは、初学者にとってはとっつきづらいという短所になりますが、ストーリーをおさえた人にとっては少ない文字数で通史を概観できるという長所にも化けるんです。

補助輪の喩えでいうと……補助輪なしでも自転車を漕ぐことができるか、教科書を通読することで確かめることができます。

以上の目的で読むさいには、用語や年代の知識が入っているか、というより、無機質な記述を目で追いながら、イメージが脳内で描けるかを重視してもらいたいと思います。小説を読む時の姿勢に近いですね。ただし、小説と比べると教科書はつまらないので覚悟が要ります。

この作業を、高3の夏休みまでに終えておくと良いと思います。秋からは過去問を中心とした問題演習に入りたいので。

理想は先史から戦後まで余すところなく読み切ることです。なので夏休みまでに通史を終えてほしいということになります。

通史が終わっていない場合は可能な範囲で教科書を読めば良いです。しかし、教科書の中で未習の範囲を残しているという状況が高3の9月以降でもつづいているのであれば、危機感を持っておくべきですよ。

教科書は基本知識のボーダーライン

世界史用語の暗記作業は、ひとまずセンターレベルに達することを目標にしつつ、秋以降は志望校にあわせた対策も本格化させなければいけません。

私大志望であれば、教科書に載っているレベルの知識だけでは足りないので、専用の参考書を使う必要があります。

しかし、国公立志望であれば、ほとんどの場合、教科書レベルの知識で十分です。センター試験は教科書レベルの知識しか扱わないので。むしろ、論述対策にも時間を割かなければいけないことを鑑みると、私大レベルの知識を暗記することは不要で無駄な作業になってしまいます。

したがって、国公立志望の方にとっては教科書を以下のように活用することができます。教科書に載っている知識は覚え、そうでない知識は無視する、という知識のボーダーライン的活用法です。

用語暗記は一問一答集をメインに使っていくと思いますが、教科書に適宜立ち返ることも有効といえます。

加えて論述試験が必要な受験生はフレーズ暗記のために読む

教科書の簡潔さが、初学者にとってはとっつきづらいという短所になりますが、ストーリーをおさえた人にとっては少ない文字数で通史を概観できるだけでなく、ストーリー理解の確認としても使える長所に化ける、ということは既に説明しました。

教科書の簡潔さは、他にも活かし方があります。それは、洗練された表現を論述試験で使えるフレーズとして暗記することです。

教科書って誰が書いているか知っていますか?多くは皆さんが志望するような大学の教授が執筆を担っています。長い世界の歴史を簡潔にまとめるのにはそれなりの技術が必要で、裏を返せば教科書の記述はとても練られているといえるんですね。

こうした記述をどんどんパクっていきましょう。教科書をパクっても罪を問われることはありませんよ。

フレーズ暗記を目的に教科書を読む時には、文単位で線を引きながら読み進めます。単語に線を引いて教科書を読む方がいらっしゃいますが、はっきりいって無駄なのでやめましょう。見づらくなるだけなので。用語暗記は一問一答集を使えば良いですからね。

一問一答集の使い方

世界史を対策するさい、地道な暗記作業を避けて通ることはできません。

地道で面倒な暗記作業を少しでも楽にするべく、一問一答集を使いながら効率的に覚えていってもらいたいと思います。

一問一答集の使い方は、用語を赤シートなどで隠して答える、という何の変哲もない仕方で構わないのですが、そのさい気をつけておいてほしいことがありますので、以下に述べておきます。

読むだけでなく書いて覚える

たとえば電車内で一問一答集に取り組む場合は、目で読んで脳内で答えるという形をとらざるを得ません。

一方、机に向かって取り組む場合は筆記用具が使える。そうであれば、用語を紙に書きながら暗記することをおすすめします。

暗記には集中力が必要。ただ読むだけだと、いくら集中しようとしても意識が他の方向へ飛んでいきがちです。しかし、筆記という作業を加えることで否が応でも暗記に集中することができます。そして印象に強く残る。

暗記作業に取り組むさい、我々はマゾになるべきなんです。読むだけで楽しないように自分を徹底的に追い込むことを心がけましょう。

読む順番を変えたり隠す部分を増やして自分をイジメ抜く

一問一答集を一周だけ取り組んで終える人はまずいません。はじめ答えられなかった部分や、定期試験で問われる分野、文化史など穴になりやすい箇所を中心に、2周目、3周目という形で繰り返し取り組むことになるでしょう。

2周目以降、取り組む場合に意識すべきなのは、先ほどと同様、自分を徹底的に追い込むマゾヒスティックな姿勢です。

1周目と同じように、最初のページから順に解き進めるだけだと非効率的であることがよくあります。たとえば最初の古代オリエントの範囲は完璧だけど、中盤から終盤の近代範囲が弱い、という場合、二周目として取り組むべきは中盤のページからです。

既におさえている部分を確認するのも無意味な作業ではありませんが、それでも苦手分野の補充に比べると意義が薄まります。2周目以降は、全てを解き直すより自分にとっての穴を片っ端から埋めることを心がけましょう。

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