2017年05月19日更新

堅実に知識を増やして長文読解で体系化の流れを守る。おすすめ古文参考書10選

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勘をはじめとする不確定要素をいかに減らせるかが勝負の決め手

古文の参考書は「文法書・文法練習張」「古典単語帳」「読解問題集」の3つに大別され、仕上げとしてセンター試験や二次試験の過去問に取り組むという流れを踏んでいくことになるでしょう。

古文対策を進めるにあたって大事なのは、古文を「外国語のように捉える」ことです。どういうことか説明するために、まずは受験生が陥りがちな罠について記しておきます。

古文問題にさいし、古いとはいえ所詮日本語だろうという姿勢で臨んでしまうと、しばしば損をすることがあります。英語とは異なり、古文は最低限の(中学校でやるような)文法さえおさえておけば、単語や細かい文法事項の対策がおろそかであっても古文の大意をつかむことが可能です。所詮日本語なので。

しかし勘である程度は読めるという段階に安住してしまっていると、得点力の向上は見込めませんよ。勘や「なんとなく」に頼ると得点が安定しない、というのはすぐわかると思いますが、古文問題はいかに現代語訳できない箇所を減らすかが勝負の分かれ目なんですね。

問題文を余すことなく訳すことができて、得点が伸びないということはそうそうありません。現代文の小説などに比べたら、行間を深読みする必要にはそこまで迫られないので。むしろ現代語訳をさしおいて大意を先につかもうとすると、どうしても勘を駆使しなければならない場面に出くわします

文章全体の意味よりも文章自体を堅実に訳していく力をつけたほうが、結果的に読解もはかどるんですね。そして、その力をつけるためには、文法・単語知識の正確な把握が必要。こう考えてみると、外国語対策に様子が似ていることがわかるのではないでしょうか?

本記事では、まず、「文法」「単語」をおさえていくための参考書を順に紹介し、その後に応用として取り組むべき「読解」問題集もいくつか挙げておきます。ぜひ参考にしてください。

古典文法

古典文法に関しては学校の授業でも扱いますので、多くのの受験生がある程度既習の段階から受験対策を始めることと思います。

以下に紹介する参考書はどちらかというと初習、あるいは習ったけれどほとんど内容を覚えていない……という受験生向けです。

一方、授業内容がある程度定着している受験生は、文法だけに焦点をあてた参考書に取り組むより、長文読解をしていくなかであやふやな部分を洗い出す作業を行った方が効率的。一般に、できないところをできるようにするのが得点力向上のための王道であり、できているところばかり繰り返していても(それも重要な作業ではありますが)なかなか得点は伸びません。

動詞・助動詞の識別や、助詞の訳しわけといった文法の応用的側面は、長文を読む中で実践的に固めていきましょう。

富井の古典文法をはじめからていねいに【改訂版】 (東進ブックス 大学受験 名人の授業シリーズ)

古典文法をイチから講義形式で学びたい!という受験生は、本書を手にとってみるのも一手です。本当は学校の授業で使ったプリント・テキスト・ノートを復習するのが経済的なのですが、そういった環境に恵まれない方や、学校の授業ではどうしても理解できない、という方もいるでしょうから。

ステップアップノート30古典文法基礎ドリル (河合塾シリーズ)

文法・単語といった暗記が必須の事項は、解説書を読むだけではなかなか定着しません。この事実は、「文法書の中では解けても、いざ実践的な長文で出てくると知識が運用できない場合がある」というよくある経験によって補強できますね。

それゆえ、文法知識を固めるのには最終的に長文読解が必要なのですが、その前段階として、読むだけではなく書いて文法知識を身につける作業が有効です。これを達成できるのが「ステップアップノート」シリーズです。解説書を読みながらでもいいですし、知識の確認用に使うこともできます。

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古文単語

次に古典単語帳。学習を進めるにあたって気をつけるべきなのは、複数冊をつまみ食いするより1冊を完璧に仕上げたほうが良い、ということです。

英単語は1000も2000も暗記していかなければいけないのですが、古文単語に関してはそこまで覚える必要はありません。受験生によりますが、おおむね500語をおさえておけば充分です。

そして、市販の名の売れた単語帳は、どれも1冊を余すことなくこなせば必要な語彙をほとんど確認できます。だから、複数冊に手を出す必要はないんですね。1冊を集中して仕上げるというのは確かに骨の折れる作業ですが、それが結果的には1番の近道なのでめげずに頑張りましょう。

ではどの単語帳を選んでもいいのかというと、そういうわけでもない。各単語帳は、レイアウト・イラスト・単語のまとめ方の点で他にない特徴があります。単語帳選びの基準は、単語数ではなく、今挙げた諸特徴においてもらいたいです。以下、いくつかの市販されている単語帳を諸特徴とともに紹介します。

読んで見て覚える重要古文単語315

本のタイトルからもわかるように、視覚にうったえて覚えやすいようなレイアウト・イラスト面の工夫が凝らしてあります。とりわけ、語呂を効かせたイラストが豊富です。たとえば「うるはし」。「きちんと整理されている」というのが現代語にはない意味なのですが、「売る」「箸」がキレイに並べられて店頭に並んでいる、といったイラストが載っています。

また、単語の枠に収めづらいけれど古文ではよく出る語彙がコラムにまとめられているのも特徴です。たとえば、「出家する」という意味がある古文単語。古文では直接「出家せり」などと書き記すことは稀で、「さまかう」「御髪おろす」などと婉曲的に表現します。このような婉曲表現が意味ごとにまとまっていて、大変実践的です。

速読古文単語改訂版

Z会出版の単語帳です。特徴は、頻出単語順に単語がまとめられていることと、語源や用法といった情報が豊富に載っていることです。さらに、長文がいくつか載っていて覚えた単語を確認できるようになっています。

Z会出版の参考書に共通するコンパクトなレイアウト、重要箇所が赤シートで隠せるようオレンジ色になっている点などが性に合う方は使ってみると良いでしょう。逆に、文字が多すぎて追いつかない……という方には合わないかもしれません。

古文単語ゴロゴ

タイトルからも明らかですが、本書はとにかく「語呂」に主眼をおいています

語呂で暗記することに抵抗がある受験生もいると思います。語呂の是非は人それぞれなので、抵抗が捨てきれない方は『速読古文単語』を使ってみると良いでしょう。逆に、「とにかく覚えればいい!」とお考えの方は本書がおすすめ。

どの単語帳を使う場合でも覚えておいてほしいのは、「読むだけでなく書いて覚えること」、「特に現代語と意味が異なる単語に注意して覚えること」です。

前者については他の科目でもしばしば指摘されることです。読むだけではなかなか集中できないもの。音読や書き取りなどを取り入れて暗記することの有効性は、今更説明するまでもないでしょう。

後者については例をあげると実感できるでしょう。たとえば、「かなし」という形容詞。単語学習がおろそかなままだと「悲しい」という意味になんとなくとってしまいがちですが、「かなし」が「悲しい」という意味で用いられる場面は多くありません。むしろ、「美しい」という意味がよく問われます。

現代語にない意味であるぶん、単語帳を勉強しているかどうかで読解に差がつきますし、作問者もそれを承知しているので頻繁に出題してきます。

古文読解

文法・単語の基礎がある程度固まったら、長文読解へ進みましょう。さまざまな問題集が市販されていますが、記事の冒頭でも述べたように「設問を正答できたか」より「全文を根拠をもって正しく現代語訳できたか」をはじめは重視してください。

言い方が悪いですが、本文が正しく訳せなくても設問を正答できることはよくあるんですよね。しかしそれで満足していては学習効果が得られません

もちろん設問はすべて解くべきなのですが、特に復習のさい、時間の許す限り問題文全文を品詞分解し、現代語訳を試みましょう。

この作業を行うことで、今まで単語帳の中だけで通用していた語彙力や、文法の知識が体系化されます。単語帳をやる時に「かなし」は「悲しい」ではない!とわかってはいても、長文でしれっと「かなし」が出てきた場合に正しく意味をとれないとダメなんです。

古文上達 基礎編 読解と演習45

読解問題とともに、文法事項の復習も多数載っています。解説も丁寧。設問は記号問題が多く、これだけ解けたからといって問題文を読めた気になるのは禁物です。先に述べたように、現代語訳できるかどうかを確認して読めたかどうかを見極めましょう。

Z会の「古文上達」シリーズは、ここで紹介した「基礎編 読解と演習45」の他にも、「読解と演習56」、「最強の古文」とレベルアップしながら続いていきます。これだけの量をしっかりこなせば演習量は充分ですので、過去問演習につなげましょう。

得点奪取古文―記述対策 (河合塾SERIES)

「古文上達」シリーズでは記述問題の練習ができませんので、二次試験で必要な方は「得点奪取古文」に手を伸ばしてみましょう。載っている問題自体は難易度がやや高めというくらいで特徴があるわけはありません。

この参考書の強みは圧倒的な解説量の多さにあります。記述解答をただ載せるだけでなく、解答に不可欠なポイント、それに基づいた採点基準、さらには誤答例まで載っていて、受験生が独力で記述対策しやすいように工夫されています。

はじめのうちは、なかなか「得点奪取」できずに苦しむと思います。解説が丁寧なぶん収録問題はタフなものが多いので。粘り強くこなしていきましょう。

センター試験の過去問

仮にセンター試験を受けない場合でも(そのような受験生はほとんどいないかもしれませんが)センター古文の過去問は長文読解演習として大変有用です。

センター試験とはいえ文章のレベルは低くありません。文法・単語をきちんとおさえておかないと、少なくとも勘に頼らず高得点を安定させることは難しいです。

鉄緑会東大古典問題集 資料・問題篇/解答篇

名高き鉄緑会から出版されている東大古典の過去問集です。というわけでここからは東大生限定。

他の過去問題集と大きく異なるのは、解説量が圧倒的に多い点。手にとって読んでみるとわかりますが本当に圧倒されます。単語・文法・古文常識の知識がふんだんに散りばめられていますので、問題を解いた後に熟読すると力がつきます。

また、「得点奪取」と同様、採点基準・誤答例も載っていますので、自分の回答を添削してくれる方が周りにいない受験生にとってありがたいです。やや高価ですが、どうせ過去問演習を行うなら徹底的にやりましょう。

読解テクニック・古文常識

古文読解における全訳の重要性をここまで強調してきましたが、現代語訳さえできれば全問解けるというわけでも勿論ありません。文法・単語だけでカバーしきれない代表的なテクニックとして、「主語の見極め」と「古文常識ともよばれる背景知識」の2つが挙げられるでしょう。

これらに関しては特定の参考書を用いて集中的に対策してやると良いです。以下、おすすめの参考書を紹介しておきます。

山村由美子 図解古文読解講義の実況中継 (実況中継シリーズ)

現代語訳はきちんとできるのに長文が読めない……とお悩みの受験生におすすめなのが本書です。主語の見極めや敬語の扱い、他にも前提としておさえておくべき古文常識が載っていて、長文苦手に対する特効薬になります。

ただ、注意すべきなのは、ろくに知識が定まっていないまま本書で対策しようとしないことです。他の科目でも同じですが、テクニックから先に習得しようとしてはいけませんよ

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