2017年03月25日更新

理系は60点を確実に取り、あとは他教科で稼げ。現役合格するための『東大理系数学対策のポイント・勉強法』

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目標は「東大数学で高得点をとること」ではなく「東大に合格すること」であるのを忘れるな

 東大理科一・二・三類の入試科目と試験時間・配点は下記のようになっています。

科目 試験時間 配点
国語 100分 80点
理系数学 150分 120点
理科 150分 120点
英語 120分 120点

この中で合格者と不合格者で最も差がつくのが数学だと言われています。実際、理系数学で例えば80点とか得点出来れば合格はかなり近づくと思います。

だからそれを夢見て『ハイレベル理系数学』とか『新数学スタンダード演習』といったハイレベルな問題集に手を出すんだと思いますが、現実的に考えるとこの戦略で東大に挑むのは危険だと僕は考えます。その理由は大きく2つ。

  1. 「数学で差がつく」というのは不合格者が本当に得点できていないのであって、合格者が皆70点以上の高得点を取っているという意味ではないから
  2. その難しさから70点より上に伸ばすのはかなり効率が悪いから

順番に理由の細かい説明をします。

「東大入試は数学で差がつく」の真意

1.の理由について説明すると、数学で差がつくというのは「合格者は70点以上取れていて、不合格者は50点代しか取れない」ではなく、「合格者は50点以上取れていて、不合格者は30点くらいしか取れてない」というのが現実です。

だから理系なら60点くらい取れるようになったら数学で受かることはないかもしれないが、数学で落ちることはまずないと言えます。そして「数学で受かる」を目指すことのリスクの大きさは、次の理由から説明できます。

東大数学は青チャートの内容を完璧に理解していれば4割は取れるような問題構成の年度がほとんど

次に2.と3.の理由について。ここ10年間の理系数学の難易度の目安は以下のようになります(僕の主観も入ってますが、赤本の難易度指定なども参考にしています)。チャートレベルが完璧に理解している人が解いたとき、〇→完答可能、△→部分点は半分来る、×→歯が立たないというイメージです。

年度 1 2 3 4 5 6
2017
2016 × × ×
2015 × ×
2014
2013 × × ×
2012 ×
2011 × ×
2010 × ×
2009 ×
2008 × ×

2014年以降の問題では、問題が比較的易しいからこそ数学で差がつきそうです。ただ青チャートを完璧に理解していれば数学で落ちることはまずありえない。

一方2013年、2009年、2008年なんかは完答できる問題はほぼないと思いますが、数学が本当に得意な受験生以外解けないレベルの難問がそろってます。これらの問題を初見で解けるようになるためには、本当に多くの時間を費やさなくてはなりません。

だとしたら、数学で差をつけようとするよりも、問題の難易度が比較的安定している英語や理科で取りに行ったほうが効率がいいです。

たしかに当たればでかいですよ、他の教科でしくじったとしても数学なら1問正解するだけで最大20点くるので。でもとにかく不安定。間違っちゃいけないのは、目標は東大数学で高得点を取ることではなく、どんな格好の悪い点の取り方をしようと東大に合格することです。

なのでここでは「東大数学で80点とるための勉強法」を紹介するつもりはありません。「本当に東大合格に近づくために、他の教科との兼ね合いも考えながら数学をどのように勉強すべきか」を説明していきます。

東大数学対策で一番重要なのは「どの問題集をいつ使うか」ではない

東大に限らず数学の勉強法をネットで検索している人って、「どの参考書を使えば合格できるのか?」に意識が偏る傾向があると思っています。

でも合格体験記を見てみると、ある人は「青チャート→一対一対応の数学→やさしい理系数学→ハイレベル理系数学の順番でやりました」と言い、またある人は「いろんな参考書に手を出さず、青チャートとかを完璧にするのが大事です!」と言う。

もし本当に「何の問題集を使うか」で結果が決まるなら、この時点で矛盾していると思いませんか?  結局何の参考書・問題集を使うかだけではなく、「どう勉強するか」も考える必要があります

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東京大学に合格するための必要十分な東大数学の勉強法とは

以上のことを踏まえて、東大に合格するために必要十分な勉強法について考えていきます。「数学の勉強法」というと一見十人十色、無数に存在するように思えますが、次の3つの軸から成ると考えてみましょう。

  1. 1つの問題をどのように勉強するのか
  2. 1つの問題集をどのように使うのか
  3. 何の問題集をいつ使うのか

東大数学勉強法① 問題を解いて間違えたら「解法パターン」と「なぜその解法パターンをとるのか」を同時に覚える

問題を解いて出来なかったら解説を読んでそれで終わり、という人が一番多いんじゃないですか? 後でもう一度解きなおせばそれでいい気もしますが、それだとその問題を解けるようになるだけで、他の問題への応用という観点がないです。もちろんたまたま似ていたから思いつく、なんてことも少なくないですが。

もっと応用することを意識して、「なぜその解法を取ったのか」まで説明できるようにしておくべきです。

例えば、2015年理系数学第1問は定数\(a\)が\(a>0\)で変化するとき2次関数が通過する領域を求める問題ですが、この問題は「ファクシミリの原理(1文字固定法)」という解法を使います。

そしてこの解法を使う理由は、「領域の問題の解き方には範囲で絞る方法とファクシミリの原理(1文字固定法)の2通りあり、いつもなら\(a=\)に直して\(a>0\)に代入するが今回は式が汚くなってしまうから。」です。

解けなかった人は、「ファクシミリの原理とは何か」と「どういうときに使うのか」を覚えなきゃいけない、ということですね。

東大数学勉強法② 間違えたすべての問題を自力で完答できるまで、間違えた問題だけ繰り返し解き直す

解けなかった問題は解法もしくはその解法を使う理由を理解できていなかったということなので、自力で解けるまで繰り返し解きなおす必要あります。一問解いたらその出来(正解なら〇、ケアレスミスなら△、ダメなら×とか)を問題集に書いておくと復習しやすいです。

2周目は△と×の問題だけ、3周目は2周目に△×がついた問題だけ、…とやっていけばいずれすべての問題を解けたことになります。

注意点としてはあまり前に解いた日と解きなおす日で1週間以上空けることです。まるまる覚えていたのでは理解度が図りにくいので。

この考え方は基本的には東大の過去問でも同じようにやってください(1つだけ注意点があるので、この後説明します。)。

東大数学勉強法③ 教科書かチャートで標準問題の解法を身に着けてから過去問を解く中で解法パターンを増やす

最後に皆さんが気になっている「何を使うか」ですが、まずは教科書とか青チャート、Focus Goldなどの網羅系の問題集は必要です。学校によっては自作の冊子を配っている高校もあるかもしれないですが、網羅してある内容ならその冊子でも大丈夫です。

改訂版チャート式基礎からの数学1+A

Focus Gold 4th Edition  数学I+A

網羅系の問題集を上に書いたやり方でこなしていくことになります。そう考えると、あんまり何冊も手を出す時間ないじゃんって思えてきません?

実際現役生なら青チャート1冊完璧に理解するので手一杯でしょうね、例題だけに絞るとしても。でも多くの受験生は穴を残したままどんどん次の問題集に進むから、何冊やっても偏差値が上がらないんです。

そしてもし網羅系の問題集を解き終わったら、もう過去問演習に入るべきです。これには2つ理由があります。

  1. 網羅系の問題集だけでかなり時間がかかるのに、問題集が1冊増えたらまたかなりの時間が取られるから
  2. 早いうちから傾向を知っておくことで、無駄な勉強を省けるから
  3. 過去問は最終的に全員やることになるものであり、優先度は極めて高いから

最後の理由についてですが、過去問を自分の出来の判断のためとか、ただ傾向を知るためだけに使うのは勿体ないです。過去問も1つの問題集として扱い、チャートと同じように解法をストックしていくのが効率的。

1対1、スタ演とかやさ理とか、難しめの問題集をやりたいと思うかもしれませんが、どうせ全部解けるようにするならそれは過去問演習を終えた後でもいいはず。むしろ過去問を解いた後にやることで、東大入試に頻出の問題を優先的に解く、とか進め方の幅が広がります。

過去問はもちろん全然解けないと思いますが他の問題集と同様「解法パターン」と「なぜその解法パターンをとるのか」を覚えていけば次似たような問題が出たときに得点できてれば、それで大丈夫です。

あるいは過去問で東大数学の問題の雰囲気を他の受験生より早く掴めてればいいので、過去問演習と同時進行で進めるのでもいいかと思います。

東大数学の過去問を問題集として扱う

たとえばスタ演をやって大体の問題解けてしまうなら、そこまでやりたいと思わないですよね? 難しい問題を解けるようになりたいからできなくてもどんどん覚えていけばいい、という思考になるはずです。ならばそれは過去問でも同じことが言えると考えます。

もし難しい問題集を解いてそのあと過去問を解いても全然解けなかったら、さすがにメンタルブレイクしませんか?

だとしたら、過去問を自分の腕試しに使うのではなく、スタ円と同様過去問を使って勉強していくという考え方ができるはずです。こうすると、同時に

  • 東大数学の傾向をつかめる
  • 自分の現状と目標点とのギャップを確かめられる

というメリットもあります。腕試ししたいなら、近年の2,3年分の問題を残しておけばいいはず。

過去問演習を切り札みたいに考えている人もいるのかもしれませんが、もし切り札が発動しなかったら終了ですよね?使える手段はどんどん使っていきましょう。

東大数学対策にオススメの参考書

東大数学対策(いや実際には数学の勉強はなんでも)どの参考書を使うかよりもどう参考書を使うかの方が大事だという話をしましたが、その中でもオススメの参考書はあるので紹介します。

東大数学で1点でも多く取る方法 理系編

東大数学で1点でも多く取る方法 理系編

タイトルだけ見ると東大数学の勉強法を紹介する本のような感じがしますが、過去問集です(つまり赤本の代わりになる)。

この本のモットーというか、特徴は「高校生でも取れる解法を選択すること」。予備校の先生が書く解答って結構、それ先生ならできるかもしれないけど高校生が入試会場でできるわけないでしょ、みたいなことありません?

だからこの視点って高校生にとってすごく魅力的だと思うんです。しかも解説が語り口調っぽいので、数学が苦手な人にとってもオススメできます。

個人的には赤本とか青本よりもこちらをオススメします。

ハイレベル1A2B/3の完全攻略

ハイレベル 数学I・A・II・B の完全攻略 (駿台受験シリーズ)

ハイレベル 数学IIIの完全攻略 (駿台受験シリーズ)

この問題集の最大の魅力はその解説の丁寧さ。まるで予備校の授業のように1つの問題に対する前提、解説や類題が豊富に載っています。

独学で数学の勉強をしている人からするとかなり頼もしいはずですよ。

1対1対応の数学

1対1対応の演習/数学1 新訂版 (大学への数学 1対1シリーズ)

青チャートなどの標準問題をやっただけだとまだそれを一つの解法として認識できていない(つまり、問題を見れば解けるけど、どの問題と同じように解くのかがわかっていない)ことが多いので、解法としてストックしたいときに使えます。

東大合格者の多くが使用しており、青チャート→1対1対応→過去問の流れはほぼどこの勉強法サイトを調べても黄金ルート扱いでしょうね。ただ個人的には上で述べた通り、青チャートからいきなり過去問にいくべきだとは思います。

やさしい理系数学

やさしい理系数学 三訂版 (河合塾シリーズ)

これももう有名な話ですが、名前とは裏腹に全くやさしくない数学の問題集。この問題集の特徴としては別解の数が他の問題集にはないほど多く載っている点ですね。其の分というか、やや解説がさっぱりしている印象があるので、全統記述で偏差値70代とか、ある程度数学が得意な人にしかオススメはしないです。

使用するとしたら、青チャートやFocus GOldの網羅系を一通り終わらせた後に過去問を解きながら同時並行でやるか、過去問を一通り終わらせた後にやるかだと思います。

理系数学良問のプラチカ

理系数学の良問プラチカ 数学1・A・2・B (河合塾シリーズ 入試精選問題集 5)

理系数学の良問プラチカ 数学3 (河合塾シリーズ 入試精選問題集 6)

こちらも1対1対応の数学と同レベルで、東大合格者の利用率が高い有名な問題集だと思います。イメージ的にはハイレベル1A2B・3の完全攻略に近いですね。問題のチョイスと解説の丁寧さが売りだと思います。

最後に東大合格者が書いたかなり詳しい参考書レビューを紹介します。

また以下の東大合格者の数学の勉強法がわかる合格体験記を読んでみると、より具体的に数学対策の方法がイメージできると思います。

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