2016年10月13日更新

奈良時代から平安時代前期までの土地制度は所有者の変遷を考えるとすぐ分かる

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受験生泣かせな古代の土地制度は土地の所有者の変遷をたどるとすぐ分かる

日本史選択の受験生の多くの頭を悩ませるのが古代の土地制度。

貨幣がまだほとんど流通していなかった古代、最も大きな財産といえば土地でした。したがって土地に関する決まり事は、実権を握る権力者が変わるたびに都合の良いように変えられていきました

土地制度と言われると政治史や文化史よりも何となく無機質で面白みのない感じがしますし、実際ほとんどノータッチで来ている受験生も多いです。

日本史が得意だったりしない限り、土地制度の名前は覚えていても「誰が?」「いつ?」まで聞かれると答えられず、センター形式の正誤問題でめった打ちを食らうこともしばしば

しかし一見とっつきにくいように見える古代の土地制度も、政治史と同じでその時代の実権を誰が握っていたかを考えれば、模試や入試問題のひっかけにひっかかることもなくなるはず

今回はセンターレベルの最低限覚えておくべき土地制度とそれに関する重要単語を見ていきましょう。

奈良時代の土地制度

まず奈良時代の土地制度の前提となるのが、飛鳥時代の「公地公民制」です。それ以前は豪族が所有していた土地も民もすべて天皇のものとなりました。

奈良時代の土地制度はこの公地公民制の上に成り立っています。まず、この「奈良時代は土地はすべて天皇のものだった」という事実は確実に押さえておきましょう。

班田収授法

班田収授法は、班田を収めて授けるという漢字通り、天皇の土地を一時的に民に授け、民が死んだら回収するというもの

奈良時代の税は租庸調ですが、祖が米にあたります。貨幣が流通していなかった奈良時代、税といえば米だったんですね。天皇が民に土地を貸して米を作らせ、その米の一部を税として納めさせるシステムです。

三世一身法

長屋王政権が定めた三世一身法は、班田収授法を保持するための法です。班田収授法によってかつては貧しかった民にも土地と食料が行きわたり、奈良時代には人口が増加しました。

人口増加によって引き起こされたのが開墾地不足です。もともと公地公民制で天皇が所有していた土地だけでは足りなくなってしまいました

ここで開墾地不足を解消すべく定められたのが三世一身法です。自分で開墾した土地は3世代に渡ってその家のものとして良い、4世代目になったら天皇に渡してねという法です。

しかし3世代しか所有できないなら、荒れた土地を開墾する労力に見合いません。結局この三世一身法は失敗に終わります

墾田永年私財法

ついに永年とつきました。税だけ納めてくれるなら自分で開墾した土地はずっと自分のものでオッケー、という法です。一見合理的に見えるこの法ですが、ここで公地公民制が崩れてしまったことは言うまでもありません。

公地公民制の崩壊によってどういうことが起きるでしょう。まず力を持つ貴族や寺院ばかりが私有地を開墾します。結果として貧富の差は広がり、一部の貴族や寺院が天皇に並ぶ絶大な権力を持ち始めました。

そして財を蓄えた貴族や寺院が政治の実権を握り、奈良時代は終焉を迎えます。かの有名な墾田永年私財法はただ土地の私有を許した法としてだけではなく、公地公民制を破壊して奈良時代を終わらせた原因、とまで暗記しておきましょう。

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平安時代の土地制度

奈良時代末から平安時代、そして鎌倉時代にまで長々と登場し続けるのが「荘園」という単語。

「荘園って名前は知ってるけど、結局何なのかよく分からないや…」という人も多いのでは?

荘園は一言で言えば、天皇以外の貴族や寺院、鎌倉以降は武士が所有する土地のことを言います。荘園、ときたら「天皇以外の人が持ってる土地だなー」くらいに分かればセンターレベルでは十分です。

ただし荘園にも種類があります。どんな荘園があるのか見てみましょう。

初期荘園(自墾地系荘園)

初期荘園よりも自墾地系荘園の方がイメージは掴みやすいかも知れません。

初期荘園は奈良時代末から平安時代にかけて発達した荘園形態で、墾田永年私財法によって自墾を許された貴族や寺院が自分で開墾し、自分のものとした土地のことです。

ただし初期荘園には難点がありました。税は土地の大きさで決まりますから、大きな土地を持てば持つほど多くの税を払わなければいけなかったのです。

寄進地系荘園

初期荘園の税を免れるために発達したずるがしこい荘園形態が寄進地系荘園です。自分が開墾した土地を大きな貴族や寺院に寄進するというものです。

なぜこれが税を逃れることになるのかというと、この時代、大きな貴族や寺院は役人に賄賂を渡して、荘園が免税になっていることが多かったからです。

ですから、名目上は免税された貴族や寺院に寄進しつつ、自分はその下で働いて税を取られずに米を収穫する、ということが可能な寄進地系荘園が流行ったんですね。

平安時代後期から鎌倉時代までの土地制度も続けて確認しましょう。

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