2016年10月18日更新

区分求積法を形だけ覚えている人が解けない『シグマの区間が公式と違う』問題パターン

math3

区分求積法は『形を覚えれば解ける』は幻想

区分求積法は公式の形を覚えるだけで手一杯になっている受験生も多いですが、実際の入試ではまず公式の形そのままで出題されることはありません。そもそも、
\[
\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\frac{1}{n} \sum_{k=1}^n f(\frac{k}{n})
=\int_0^1 f(x) dx  ・・・(*)
\]
という式の形が何を表しているか、つまり公式の証明は絶対に覚えておく必要があります。

しかし教科書に載っているこの形を覚えるだけでは東大早慶レベルの積分の問題には対応できません

区分求積法でシグマの区間が違う問題に対応する方法

シグマの区間が\(0→n-1\)の場合

下図の青い方で考えても、黄色の方で考えても曲線と\(x\)軸で囲まれた部分の面積は求められます。
null

そのため、\((*)\)の式は
\[
\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\frac{1}{n} \sum_{k=0}^{n-1} f(\frac{k}{n})
=\int_0^1 f(x) dx
\]
とも表すことが可能。つまりシグマの区間が\(0→n-1\)のときは\(1→n\)のときと全く同じ状況を表します

シグマの区間が\(1→n\)でも\(0→n-1\)でもない場合

具体例として、シグマの区間が\(1→2n\)であったとします。つまり\(
\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\frac{1}{n} \sum_{k=1}^{2n} f(\frac{k}{n})  
\)がどうなるか。

これは\(k\)が\(1\)から\(2n\)まで取りうることを表しますが、\(k=1\)のとき\(\frac{k}{n}≒0\)(\(n→∞\)を考えるから)、\(k=2n\)のとき\(\frac{k}{n}=2\)ですね。

つまり積分区間を\(0→2\)とすればよいことになります。よって

\[
\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\frac{1}{n} \sum_{k=1}^{2n} f(\frac{k}{n})
=\int_0^2 f(x) dx  
\]

他の例を挙げると

\[
\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\frac{1}{n} \sum_{k=n}^{3n} f(\frac{k}{n})
=\int_1^3 f(x) dx
\]

\[
\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\frac{1}{n} \sum_{k=1}^{2n-1} f(\frac{k}{n})
=\int_0^2 f(x) dx  
\]
\(n→∞\)なので、\(2n-1\)の\(-1\)などは誤差にしかならないという点を抑えておいてください

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練習問題

問題

次の(1)(2)の極限を、定積分の形で表せ。

(1)\(
\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\frac{1}{n}\sum_{k=2n}^{3n-5} (\frac{k}{n})^3
\)

(2)\(
\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\sum_{k=0}^{n-1} \frac{n}{n^2+k^2}
\)

解説

(1)\(3n-5\)の\(-5\)は誤差なので無視できるという話でした。ですので積分区間は\(2→3\)となり、

\(
\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\frac{1}{n}\sum_{k=2n}^{3n-5} (\frac{k}{n})^3
=\underline{\int_2^3 x^3 dx}
\)



(2)最初の形から公式の形に直すには、まず\(\frac{1}{n}\)を作ることから始めます。またシグマの区間が\(0→n-1\)は、\(1→n\)のときと全く同じ状況を表しましたね。

\(
\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\sum_{k=0}^{n-1} \frac{n}{n^2+k^2} \\
=\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\frac{1}{n} \sum_{k=0}^{n-1} \frac{n^2}{n^2+k^2} \\
=\displaystyle
\lim_{n \to \infty}
\frac{1}{n} \sum_{k=0}^{n-1} \frac{1}{1+(\frac{k}{n})^2} \\
=\underline{\int_0^1 \frac{1}{1+x^2} dx}
\)

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